宮城県の銘石「伊達冠石」の採掘元へ、見学に行ってきました!
呉市・江田島市を中心に、お墓や石材のお仕事をさせていただいております、増木石材店の増木です。今回は、宮城県の銘石「伊達冠石」の採掘元へ見学に行ってきた際のようすをご紹介いたします!
みちのく銘石伊達冠石 大蔵山スタジオ
「伊達冠石」は、宮城県の丸森町で採掘される安山岩系の石です。世界でも唯一無二の特徴ある石で、墓石としても使用されています。当店にも一本現物を置いていますが、自然の風合いをとても強く感じる石で、部位によって様々な模様があるなど、美しくて魅力的な石です。ストーンフェアで見かけて「面白い石だなあ」と気になって以来、いつか取り扱ってみたいと思う大好きな石のひとつで、それなら実際に自分の目で見て確かめてみよう!ということから、宮城県の採掘元へ見学に行ってきました。
「大蔵山スタジオ」という、伊達冠石の採掘元さんの建物です。今回は、スタジオ主催のガイドツアーに合わせて参加しました。
従来の採石場のイメージとは違い、伊達冠石を使ったお皿やアートなどが飾られている、アートな空間です。お墓だけではなく、味わいを活かした色々なものが作られています。「和」のテイストが感じられて、落ち着いた深みのある石の良さが伝わります。
こちらは伊達冠石をガラスと組み合わせたランプです。下の部分が伊達冠石を使用しているのですが、黒いところは削って加工した部分、茶色く見えているところは玉石の肌で、専門的には「皮目」と呼ばれる部分です。
あいにくの雨でしたが、5代目社長の山田さんに案内していただきました。参加者は20人ほどでした。隣にあるのは駐車場にあるオブジェです。
採掘場です。巨大な岩盤が見えています。
こちらは玉石です。こうした玉石状で採れるのも特徴のひとつです。岩盤を削り取ったり、転がっていたり埋まっていたりする玉石を掘り出したりして採掘されているようです。
玉石状の石以外にも、こうした角張った石もあります。さまざまな表情の石がありますが、大きなものは採れにくいそうです。
こちらでは、単に石の採掘現場というだけでなく、自然と共存する場所にしたいという想いのもと、里山整備が行われています。ただ石を採っていくだけでなく、山を再生させて、皆が遊びに来れるような場所にすることを目的とされているそうです。採掘場と言っても公園のような雰囲気もありました。
「イワクラ」という名前で呼ばれている、巨大な伊達冠石を使った神聖な場所です。高さは4mくらいありました。これほど大きい玉石は、ほとんど取れないそうです。神聖な空気の漂うパワースポットです。
スタジオに戻り、昼食をいただきながら社長から色々なお話を伺いました。
石と木の調和した素敵な場所です。私の場合は仕事も兼ねての参加ですが、一般の方でもこの石に興味を持っていただいて実際に見てみたいという方には、私がぜひご案内します^^
こちらは、スタジオに隣接した加工場の様子です。こちらでは職人さんが手加工をしています。
こちらは大きな石を切っているところです。採掘をして、すぐ隣で加工を行っています。
加工された伊達冠石が集まっています。右手前にあるのはお墓です。まっすぐな黒い面は磨いた部分、赤っぽいところが皮目の部分です。お墓をはじめ、同じものが二つとないのも伊達冠石の良さのひとつです。こだわりの方は現地で実際の原石から選んでいただくこともできますし、写真で送ってもらったものから選んでお墓にすることもできます。
墓誌の脚です。皮目の自然な風合いが感じられます。色合いや模様だけでなく、形も様々です。今回実際に採掘元まで足を運んで、伊達冠石の魅力をより感じることができました。
こちらは当店に展示してある伊達冠石のお墓です。一般的なお墓のような本磨きではなく、「水磨き」で仕上げてあります。本磨きは光沢があって艶のある仕上がりですが、水磨きはあえて光沢を出さず、触った感じはツルツルしていても、見た目にはマットな質感に仕上げたものです。水磨きの方が自然の石肌を残していて、この石の良さが感じられてかっこいい!と、お願いして現場で作ってもらいました^^ 2022年6月現在、店頭にて展示しておりますので、ご興味のある方はぜひお立ち寄りください!